2016年1月25日月曜日

魔王

どうもモチキです。

『火星の人』を読み終わり、

次に目に入ったのは『魔王』という本。



内容紹介
魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?
世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。 
会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。
※Amazonより引用


この本に興味を持ったきっかけは何と言っても題名でした。

『魔王』 この言葉から何を連想しますか?

【魔王】 まおう
仏教で、正しい教えを害し、知恵やよい性質を失わせる、天魔の王。一般に、魔物・悪魔の王。
バトルものなのか、異能の存在が世界を牛耳る話なのか、まったく想像が付かず読み始めてみると僕が想像したものとはまったく違ったものでした。

ぶっちゃけると、よく分からなかったです。

もちろん、特殊な能力を持った登場人物は何人かいて、物語にも深く絡んでくるのですが話しの中に含まれる事柄がファシズムや憲法、国民投票などがしつこいぐらい出てきて政治的なメッセージやテーマがあるのか?と思わせる内容に一体これはなんの話なんだと感じた訳であります。

でも政治的な部分は、あまり自分が考えもしなかったことが中心でもあり、政治についてまったくの無関心だった自分にとっては改めて考えさせられはしました。ファシズムに関しても実際の歴史的人物を出すことで「こうして始まっていったのかな」とちょっと詳しく調べたくもなりました。恐らく作者の伝えたかった部分ではないと思いますが。


またこの題名である『魔王』はシューベルトが作曲した歌曲からきています。

この歌、歌詞を読んでハッとしました。どこかで聴いたことあると思ったら小学生の時に音楽の教科書で紹介されていたんですね。小さい頃で歌の意味や良さなんてものは分からなかったですが、何か不気味な感じがしたのは今でも覚えています。

読み進んでみるとこの歌と物語がリンクしているように感じられる場面もあり、ちょっとした伏線回収の満足感も。

ただ全体を通して思わせぶりな内容が物語のなかにちりばめられていて、一体どんな伏線を含んでいるんだと思いながら読んでいきましたが...


気が付いたら終わっちゃってました!!!!!


そうです、そうなんです。

本作、肝心の結果がわかるところまで描かれていないんです。
ここがスッキリしない部分でもあり、僕があまり想像にお任せします的な展開が苦手なこともあり完全に消化不良です。

読者に想像を任せた方が良い物語もあると思います。

この本はどうなのでしょう?僕は賛否両論あると思います。
みなさんがこの本を読んでどう感じるのか、非常に気になるところです。

でも読んでてつまらなかった訳ではないんです。超能力の設定は面白いともいましたし、登場人物のキャラも嫌いじゃなかった。読んでいてすらすらと進んでいけるのは確かで(政治的部分はちょっと飛ばした場面もありましたが)、ただちょっともやっとした何かが残ります。

人によって感想がまったく違うお話だと感じました。きっと僕のような意見をもつ人もいれば、まったく違う角度から、そんな解釈もあるのねと驚く意見もあるように思います。


いろいろと想像を膨らませられる作品です。

また読者が勝手に想像して回収する的な展開が嫌いじゃない人におすすめです。



0 件のコメント:

コメントを投稿