どうもモチキです。
今回は珍しく、本のご紹介。
「DINER」
平山夢明
どこでこの本の存在を知ったかというと、会社です。うちの会社には本がたくさんあります。もちろん僕らが買ったものもありますが、大体は松井さんが購入し、置いているものです。
不思議なくらい、事務所には面白い本が多いです。何となく読んでみれば、いつもまにか夢中になって手が止まらなくなってた、なんてこともあります。今回の本はまさしくそんな感じ。
僕がそろそろ新しい本を読もうかなと思っていたときに、同僚であるベックスくんの机の上で発見したのがこの「DINER」。
パッケージを見て『なんだ、ハンバーガーのお話?一体どんな話なんだ?』と思って最初の数行読んでみれば...。
凄い、とにかく凄い!長時間本を読むことを得意としない僕がたった1日で読んじゃうぐらい面白かったこと。次の展開がどうなるのか、先が先が気になって手が止まらなかったです。僕が大好きなタイプ(ちょっとどころではない残酷描写たっぷり)のお話と最上級のエンタメがこれでもかとぐいぐいくるもんですから、それはもう、釘付けになりますよ。読んでいて「あと数十ページしかないじゃん!まだまだこの人たちのお話読みたいのに・・・」と思ったのは初めてです。
あと、単純に読みやすかった。特に小難しい言葉遊びもなく、読んでいるとスーッっと内容が頭に入ってきてぶっ続けでよんでも全然疲れなかったです。
あらすじ
ほんの出来心から携帯闇サイトのバイトに手を出したオオバカナコは、凄惨な拷問に遭遇したあげく、会員制のダイナーに使い捨てのウェイトレスとして売られてしまう。そこは、プロの殺し屋たちが束の間の憩いを求めて集う食堂だった―ある日突然落ちた、奈落でのお話。
あらすじを読んでも分かるかもしれませんが、「拷問」や「殺し屋」なんて単語があるように、残酷な描写がとても多く、いくら文字だけとはいっても苦手な人には読めない内容です。はっきりといって、映像化は不可能なレベルのグロさでしょう。たぶん僕も映像で観たら吐くんじゃないかな、というレベル。
しかし、ただ残酷な描写を面白がってやっているだけの物語ではありません。
この物語の中に登場する全員のキャラが良いんです。ダイナーという殺し屋専用の食堂がお話のメインなだけあって、登場するキャラはみな殺し屋や、その筋の恐い人たち。
まぁ、そんな場所にキャラが薄いやつなんて出てくる訳がないんですが、みんな凄く魅力的なキャラに仕上がっています。とにかく濃い。濃い過ぎる。
そして、残酷な描写ばかりに目がいきがちですが、本の表紙を見ても分かるように、料理もこの物語には欠かせません。料理の描写もこれまた凄いんです。
僕は文字だけで料理を「美味そう」と感じたことにびっくりしました。
何故かと言うと今の会社に入るまであまり本を読まなかったので、文字に触れる機会があまりなく、頭からっぽな生活が長く続いていました。そんな僕からすれば、文字だけでここまで美味しそうに表現できるというのはびっくりです。読んでいて口の中に涎が出てくるのは初めての体験でしたよ。
この「DINER」の著者である平山夢明の本はまだこの一冊だけしか読んでいないので他の本がどうなのか、詳しくは分かりませんが、この方の書く文章は凄く映像として想像がしやすかったです。
読んでいるんだけど、まるで映画を観てるような、そんな気分でした。だから時間を忘れて1日で全部読んじゃったのかもしれません。
次の展開が気になり過ぎてやめるにやめれない、それが何回が続いて気が付けばもう最後じゃん!っていうオチでした。
物語のラストは有名な映画のオマージュかな?と思えるシーンもあったり、個人的には好きでした。ニヤっとさせられましたし、オマージュ探しなんて別の楽しみ方もあって。
まぁラストはこの物語ならではな、度肝ぬかれる展開を期待していなかったといえば嘘になりますが、最初から最後まで十分に楽しめました。
特に後味の悪さもなく、本筋はとても王道で最後はすがすがしい気分になれると思います。
是非みなさん、読んでみてください。きっと物語の中から抜け出せなくなります。
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